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人工透析とは?

腎蔵の働きが悪くなると、腎臓の代わりとして人工透析を行うことになります。

人工透析には大きくわけて血液透析と腹膜透析の2種類の方法があります。

腎臓の働き

  1. 1.老廃物の排泄    
      体内で作り出された老廃物を尿として排泄します。
  2. 2.水分量の調節    
      尿の量を調節することで体内の水分量を一定に保ちます。
  3. 3.電解質の調節
     
    ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン等の電解質の血中濃度を正常に保ちます。
  4. 4.酸塩基平衡の調節    
      血液を弱アルカリ性(ph7.4)に保ちます。
  5. 5.血圧の調節    
      血圧を調節するホルモン(レニン)を作っています。 また上記の水分量を調節することも血圧に大きく関与します。
  6. 6.ビタミンDの活性化   
      ビタミンDは腎臓で活性化され、活性化ビタミンDとなり、腸から血液中へのカルシウム吸収を助ける働きをします。
  7. 7.造血刺激ホルモン(エリスロポエチン)の分泌
      骨髄に赤血球の産生を促進させます。

1~5は透析を行うことで補います。5~7は薬剤で補います。 (5は透析と薬剤の療法で補います。)

血液透析

血液透析では、血液を体外に取り出し、人工腎蔵(ダイアライザー)を使って血液を浄化します。そしてきれいになった血液を再び体内にもどします。

治療時間は1回3~5時間を週3回行うのが基本となります。

バスキュラーアクセス

透析を行うために血液を体内から出し入れする経路のことをバスキュラーアクセスといいます。バスキュラーアクセスには大きくわけて「内シャント」と「カテーテル」の2種類の方法があります。

  • ・内シャント
    体内から血液を取り出すために2箇所(脱血箇所と返血箇所)の血管に針を刺します。
    透析ではダイアライザーに多くの血液を送る(180ml/分~250ml/分)ため血流量の多い血管が必要となります。皮膚表面に流れる静脈血管では血流が不足するため、深部を流れる動脈と静脈をつなぐ手術を行い内シャントを作製します。これにより静脈に多くの血液が流れるようになり、透析に必要な血流が確保できます。
    内シャント作製に適した血管を持たない患者さまには人工血管を使用することもあります。
  • ・シャント管理
    シャントは透析を続けていくためにはとても重要なものです。シャントを長持ちさせるために日頃からしっかり管理しましょう。
    シャント感染
    シャント部は清潔にして針跡からの細菌の侵入を防ぎましょう。シャント部が赤くなる、熱をもつ、腫れるなどの症状があれば病院へ連絡してください。
    シャント閉塞
    シャント閉塞を防ぐためにシャント側の腕には負担をかけないようにしましょう。重いものをぶら下げたり、腕時計はしない。シャント側の腕を体の下にして寝ないようにしましょう。毎日シャントの音を聞き血液の流れを確認しましょう。
    シャントの音がしないときは病院へ連絡してください。
  • ・ボタンホール穿刺
    ボタンホール穿刺は穿刺方法の一つで、毎回同じ針孔に針を挿入します。
    ボタンホール穿刺で使用する針は針先が丸くなっており、皮膚を切るのでなく前回使用した針孔にできた膜を破るように挿入します。針先が丸いため痛みの軽減が期待されます。
  • ・カテーテル
    主にシャントを作製する前や、シャントトラブル時の一時的なバスキュラーアクセスとしてカテーテル法があります。

ドライウエイト

腎不全になると体内の水分をうまく排出できなくなります。水分が過剰に溜まると心不全などになってしまいます。そのため透析で水分除去を行いますが、水分除去後の目標体重をドライウエイトと言います。
ドライウエイトは胸部レントゲンでわかる心胸比や血圧などをもとに決定します。

合併症

  • ・不均衡症候群
    透析導入期に起こりやすく頭痛や嘔吐、気分不良を起こします。
    透析による急な老廃物除去が原因ですが、透析回数が増えるにしたがって体が対応できるようになり、徐々に症状が出なくなっていきます。
  • ・高血圧
    主に水分や塩分をとりすぎ体液量が増えることで起こります。体重増加に注意してください。
  • ・低血圧
    透析関連低血圧の原因は様々ですが、代表的なのが透析治療後半に起こる急激な低血圧です。これは除水量に対して体が対応できずにおこることが多いため、除水速度を低く抑えることが重要となります。
  • ・貧血
    腎不全になると造血ホルモンであるエリスロポエチンの分泌が低下し貧血になります。
    エリスロポエチン製剤や鉄製剤を補充して補います。
  • ・二次性副甲状腺機能亢進症
    腎不全になると高リン血症になりやすく、高リン血症になると血液中のカルシウム(Ca)濃度が下がります。カルシウム濃度が下がるとそれを補おうと副甲状腺という器官から副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌します。副甲状腺ホルモンは骨を溶かして血液中のカルシウム濃度を上げる働きがあります。この状態が続くと骨がもろくなり骨折しやすくなります。高リン血症にならないためにリンを多く含む食事を控えたり、リンを抑える薬剤の用法をしっかり守りましょう。
  • ・閉塞性動脈硬化症
    透析患者さまでは主に足の血管が狭くなることが多く、血流障害をおこします。重症の場合には壊死してしまい、足を切断することもあります。日頃から足の状態をチェックして足病変を早期発見し、早期治療できるようにしましょう。